【いつかの人質】同性愛物語かと思ってた

いつかの人質 (角川文庫)


相変わらずこの人の本は

『自分は他人にどう見られているか
自分が思うよりずっと酷評だ』

と思わされる(笑)

でもだからこそ、そんなに他人に気遣いする必要はないのかも?と

気を楽にさせてもくれる

著者にその意図はないのかもしれないけど
私は勝手に飴と鞭を貰ってる(笑)


犯人は誰?という部分では
さすがの私!

、、、、はい、まったく分かりませんでした(笑)




目の前の大事な人が傷つくと分かっていて
あえて言うことがある

目の前の大事な人が傷ついていることに気づかずに無意識で言うことがある

小さな傷が少しずつ粘着しながら蓄積され

やがて身体に 心に 穴をあける


あ、自分もしている
つい最近もした
これまでの人生で思い出せないほどしてきた、と

あ、されたこともあるな、と。

痛い痛い~心が(笑)
あえて気づきたくない部分を見せてくるなぁ(笑)




江間礼遠。好きだなぁ。
顔がよい、のはもちろんね。
しかも、色素薄めのってのがまた良いです。

あ、顔のことばっかりになりましたが、(笑)
この文章を読んで、それまでただの登場人物の一人という彼への気持ちが変わりました(笑)

引用しますね。

「この仕事をやっていて嬉しかったことはありますか?」って訊かれたときも
「最近だと、石川さんがパニックを起こす前に部屋を移動できたことです」って答えたりして。
いつかの人質より、一部引用

いかがでしょうか?
って、これだけじゃ何も分かりませんよね。
あまり書いてしまうと礼遠さんの良さが駄々洩れし過ぎてしまうと思いますので(笑)

是非、読んでみてください。

そして、こんなにも夫婦とはいえ他人を心から、態度でも、言葉でも、行動でも必要とできる人が、された人が羨ましくも思いました。

あ、もちろん(笑)、それに顔と経済力と才能があればこそ、っていう部分は否めませんけどね(笑)


何でも言い合える、何でも分かっている、そんな家族は理想だけれど、家族だから簡単でしょってとこだけど、なかなかどうして難しいものなのですよね。

だから、陽介に私は共感しちゃうところが多かったです。

優菜は、あまり好きではない。
分かる、と思う部分はたくさん過ぎるほどある。
普通だから。普通だからこそ。
だから、最後のこの物語の部分も、彼女の狡さというか普通さが溢れているようで、、、正直なところ良い終わり方だとは思わなかった。

だけどそれが美しくなくて良いのかな、とも。


心にどんどん鈍く響く、良い物語を読ませていただきました。


この本が好きな方は、こちらの本もお好きになるかも!?

丈太郎の秘めたる思い・・・決して相手に求めることのないひたむきさを感じる部分が、私は好きです。


あまり、愛情や欲をでしゃばったり、求めたりしない人が好きなのかも(笑)
自分が承認欲求の塊なので(笑)